行雲流水の如く

-Re-Start From 65 Years Old-

Let It Be

 

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 朝起きて、まだぼんやりとした時間を過ごしている時に、頭の中であるメロディーが繰り返し流れている事がある。それは、古いアニメの主題歌だったり、演歌だったりで脈絡がなく突然沸いてくるものなのだが、顔を洗ったり歯を磨いているうちに、自然と消えてしまう事が多い。

 それが、今回はBeatlesの「Let it be」だった。

 When I find myself in times of trouble
 Mother Mary comes to me
 Speaking words of wisdom
 Let it be

    Let it be  Let it be  Let it be

 Speaking words of wisdom Let it be

 

 言わずと知れたBeatles後期の名曲で、リリースは1970年3月というから、当時の日本ではよど号のハイジャック事件や大阪万博のあった頃であり、今更ながらこんな時代にこんな名曲が生まれていた事に驚いたりする。

 ネット情報によると、この曲が書かれた頃Beatlesは分裂状態で、実質的な作曲者であるポール・マッカートニーは、その事に心痛めていたらしい。そんな頃に、ポールは夢の中で亡くなった母親が出てきて、「let it be」と囁かれたとの事である。「Mother mary」とは聖母マリアの事であり、同時にポールの母親であるメアリー・パトリシア・モーヒンの事であるとも言われている。

 ところで、この「let it be」という言葉は、日本語では「あるがまま」と訳される事が多い。当時のポールの心境を想うと、「なるようになるさ。流れのままに。」という事なのかも知れない。

 ただ、当時の自分は多少異なる解釈をしていた。というのは、「あるがまま」という言葉は、学生の頃に少しばかり読みかじった「禅宗」などでよく出てくる言葉だったからだ。

 

 「恐れなき世界は、強い人間になろうということではなくて、そのままあるということです。最近、『平常心』の話をよくします。『平常心= へいじょうしん』というと、何も影響を受けずに変わらない心を保つイメージがあるかもしれません。

 しかし、これは鎌倉・円覚寺横田南嶺老師に教えていただいたのですが、禅では『平常心=びょうじょうしん」と読み、『あるがまま、そのままの心』を表すのだとか。言い換えると、無理して強がって恐れる心に蓋をしようということでもなくて、「不安なときは不安でいいじゃない」と肯定することが大事なんじゃないかと。

 恐れる心も含めての『あるがまま』。恐れることを恐れなくてよいのではないかと思います」と説いてくださっています。  (円覚寺 管長のページ「あるがまま、だいじょうぶ」より)

 

 「不安な思いを打ち消そうとしたり、逃れようとするのではなく、不安を抱えたまま、一歩ずつ前に踏み出していけばいいんだよ。」というように解釈していたように記憶している。

 当時、トラブルを抱えた友人に捧げる歌と言う意味で、Simon & Garfuncle の「明日にかける橋」とも比較される事があったが、個人的にはこの「Let It Be」の方が、哲学的な感じがして好きだった。

 以上、あくまでも個人的で勝手な解釈でした。

<マイ・ギャラリー>

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夕景

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なす



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