行雲流水の如く

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祈り

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 自分は宗教に関しては無神論者とまでは言わないが、決して熱心な信者ではない。育った家庭には仏壇があって、彼岸の頃になると線香をあげ、落雁などを供えていたりしたが、子どもにとっては彼岸明けに、その落雁が子供たちに降りてくるのが楽しみだった。実家の墓や菩提寺は九州で、遠く離れていたので、仏事や墓参りなどに親は出かけていたが、子供まで連れて行く事もなく、あまりそういう習慣に触れていないせいもあるかも知れない。

 それでも、新年になれば近所の神社に初詣に行くし、賽銭を上げて1年の無病息災を願ったりするから、神様からすれば、勝手な奴だと思われている事だろう。

 ただ、こういう慣習としての伝統行事とは別に、やむにやまれず「祈る」しかない時もある。それは、例えば試験の合格発表であったり、1日も早い病気の回復であったりする。つまり、自分の努力だけではどうにもならない事であったり、文字通り運を天に任せるしかない時だったりする。いわゆる、「困った時の神頼み」である。

 「祈る」事は決して結果を保証してはくれないが、それでも祈るしか術がない時は、何度も何度もすがろうとする。「祈る」という行為は、続ける事で「期待」から「確信」にまで高める事が出来るし、どうなるか分からないという不安を払拭し、心を安らかにしてくれたりする効果もあるようだ。

 「祈り」は宗教が生まれる前から人類が続けている営みなのだそうだが、その「祈り」には病気をいやしたり、心身の健康を保つ大きな力が秘められていることが、多くの研究成果として解明されてきている。

 例えば、アメリカのある病院で、重い心臓病の患者約400人を、他の人から快癒の祈りを行ってもらったグループと行わなかったグループに分けたところ、祈りを行ってもらったグループの患者の方が人口呼吸器、抗生物質、透析の使用率が少なかったそうである。(患者は祈りを受けている事を知らされていない。)

 また、祈りを行った方にも、脳の快感物質であるβエンドルフィンやドーパミン、愛情ホルモンであるオキシトシンなどの分泌が増え、脳の活性化や記憶力のアップ、ストレスの減少、幸福感の増加、免疫力の増加などが見られたという。

 実は、このような話は、他にも似たようなものがあるのだが、正直言って科学的に妥当かどうかは不明である。ただ、「祈りを行った」グループの結果については、興味深いものがある。

 「祈り」を習慣的に行っている人たちが、心配や恐怖、不安や強迫症などの不安障害を発症する割合が低いという話を聞いたことがある。自身のため、そして他者の幸福を願う行為が、結果として「感謝」の気持ちをもって、心おだやかに過ごす事ができるのかも知れない。

 

 さて、自身はどうかと言えば、「困った時の神頼み」は相変わらずである。とりあえず、今度神社に立ち寄った時には、自身と家族の健康と幸福を祈ってくることにしよう。

<My Favorite Songs>

アリス 「今はもうだれも」

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 以前にも、このブログで書いた記憶があるが、自分がはじめてアリスを知ったのは、確か深夜放送だったと思う。まだ、無名だった頃のアリスは、泥臭くてくせのある歌い方、それでいて歌唱力は抜群だった。「明日への賛歌」「愛の光」など、今聞いても、その力強い歌声は群を抜いていたが、最初のヒットらしいヒット曲が、この「今はもうだれも」であったと思う。元来「ウッディ・ウー」というバンドの持ち歌だったが、アリスがカバーした形になる。自分たちも、学生の頃、アリスの曲を何曲かカバーしていた時期がある。

 また、深夜放送では、谷村新司がパーソナリティをつとめていたセイヤング(文化放送)をよく聞いたものだ。特に、「天才・秀才・ばか」シリーズでは、深夜にもかかわらず涙を流して聞いていたものだ。「近所にいる面白いお兄さん」的な飾らない人柄が魅力だった。心からご冥福を祈りたい。