行雲流水の如く

-Re-Start From 65 Years Old-

ルーチンワーク

 仕事のある日は、大体5時半位に起きる。以前は、けたたましく鳴り響く目覚まし時計で家人まで起こしてしまっていたため、最近はApple Watchを使っている。この時計は起きたい時間にセットしておくと、手首の振動で起こしてくれるため、周囲に迷惑をかける事がない。

 目を覚ましてから最初に、ベランダに出て日光を浴びながら1杯の水を飲む。こうする事で、自然に身体のスイッチが入るような気がするし、目覚めの水は、乾いた身体に沁み込んでいくような感覚になる。

 愛犬のマルにえさをやった後、自分の洗面を行う。毎日の事だが、できるだけていねいにしっかり洗う事で気持ちもシャキッとしてくるものだ。その後、マルの散歩に出かける。散歩といっても、最近は老犬になってきた事や持病をかかえているため、家の前の駐車場を少し歩く程度である。

 テレビのニュースや新聞をチェックしながら朝食をすませて、7時20分位には家を出る。職場まで、約40分近い道のりを歩いていくのだが、途中、景色を見ながら季節を感じたり、その日の実験の手順を考えたりしながら歩いて行く。

 職場に到着すると、その日の担当にもよるが、午前中の実験担当の場合は、すぐに実験の準備に入る。内容によって簡単な場合もあるが、やや時間がかかる場合もあり、とにかく9時の開館前には、一通りの準備を終えておく必要がある。

冷凍実験と超伝導実験

 大体、ここまでが仕事に出る日の日常である。そして、この後も多少の飛び込みはあるが、概ね同じような事が繰り返されていく。ただ、実験に関しては、毎回お客さんの反応は違うし、実験の内容や進め方も少しずつ工夫しているので、飽きてしまうことはない。

 こういったルーチンワークは、定年前の仕事では考えられなかった。以前は、毎日毎日様々な出来事や課題が多く、その度にその場で判断し、対応しなければいけない事が多かった。つねにベストな判断を求められるわけだが、自分としては多くの情報を受け入れながら、よりベターな判断を心がけていた記憶がある。今思えば常に一定の緊張感のもとで仕事をしていたし、それなりの精神的・肉体的ストレスをかかえていたと思う。

 ルーチンワークの良い点は、こういったストレスからある程度解放される点である。決められたことを、ていねいにかつ効率的にすすめていけば良い。(そのかわり、そのルーチンが乱れたり、崩れたりすると、大いに慌てたりすることもある。)

 朝、まだ頭がぼんやりとしている時、昨日の疲れが抜けきっていない時、いやな事や心配事をかかえている時などでも、一定のリズムで体が動きだす事で、気持ちも自然に良い方へ動きだすから不思議なものだ。

 人間は常に動くことで、何らかの意味を感じとるもののようだ。

<マイ ギャラリー>

<My Favorrite Songs>

「小さな風景」 小田和正(カバー)


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 テレビ朝日の連続刑事ドラマ「遺留捜査」の主題歌として使用された、小田正和の曲。このドラマでは、事件現場の遺留品に残された想いを、残された人たちに伝えていくという展開の中で、この曲が使われている。今はいなくなってしまった人の「心の中の風景」に思いを向けさせてくれる。なお、この動画は小田和正本人ではなく、カバー曲だが、大変質が高いため、ここにあげさせてもらった。