行雲流水の如く

-Re-Start From 65 Years Old-

在宅勤務の過ごし方

最短5分!手軽にできるおもしろ科学実験10選(前編)夏休み自由研究に ... 

 世間の皆様と同様、自分も4月11日から在宅勤務なるものに従事している。勤務内容は、現在の職場である科学館での実験手順の見直しや、関係資料の収集・実験用の素材開発などを中心に行っている。

 主な実験内容は、「磁石」「光」「発電」「電池」「形状記憶合金」等幅が広く、中学校や高等学校で習ったような内容も多い。そのため、まるで50年ぶりに学生に戻って「学び直し」をしているような気分である。今日は、そんな中でも初めて知った事や、面白いと思った事のいくつかを紹介したい。

f:id:wf160310-6741:20200430212834j:plain

 1 虹の光は6色?

 太陽光はプリズムを通ると7色に分光する事、そしてこの分散させた光をレンズとプリズムで再合成すると白色光にもどる事などを発見したのは、万有引力で有名なアイザック・ニュートンである。

 ニュートンは、この光の分光(スペクトル)を7色であると決めたが、これは当時ヨーロッパでは音楽と自然現象を結び付けて考えようとする背景があったためとされている。日本では、虹と言えば7色とするのが当たり前になっているが、外国では6色や5色としている所もあるという。

 

 磁石とは?

2 磁石を半分に割ったらどうなる? 

 両極にN極とS極がある棒磁石を真ん中で切ると2つの磁石に分かれる。このとき、N極側の断面は新たにS極となり、S極側の断面は新たにN極になる。その磁石をさらに小さく切ってもまた片側にN極、もう片側にS極が発生する。

 どんなに細かく切っていっても、その断片は必ず2つの磁極を持つ磁石になり最後は、分子レベルの磁石になる。(分子磁石)

 磁石の両端は、この分子磁石が規則正しく並んでいるために、磁極としての性質を持つ。ちなみに、磁石は熱や衝撃を与えると磁力を失うか、弱くなる性質を持つ。

 

Radiometer - Simple English Wikipedia, the free encyclopedia

3 太陽光が温かく感じるのはなぜ?

 熱の伝わり方は、「伝導」「対流」「放射」の3種類。「伝導」は物質の原子や分子、電子等の運動によって移動するし、「対流」は、液体や空気自体が移動する。「放射」は、電磁波が熱を伝えるもので、太陽の光でとらえると理解しやすい。

 太陽の表面温度は約6000℃と言われるが、地球表面までは電磁波がエネルギーを伝えている。この電磁波は、他の物質に吸収されると再び熱となって物体の温度を上昇させることになる。地表で太陽の熱を感じるのは、地面や私たちの皮膚が電磁波を吸収したことで熱を感じているという事である。

 上の写真は、ラジオメーターと言ってガラス内の黒く塗った羽根車に、太陽光や電球など赤外線を含む光があたるとくるくる回りだす「放射計」と呼ばれるもので、インテリアなどとしても販売されている。黒く塗った部分(雲母)に光が当たると、その付近の気体の分子活動が活発になり、羽根車が押されて回転を始める。

f:id:wf160310-6741:20200430222918j:plain

4.身近な素材で「エネルギー」を作る!

 備長炭を、食塩水に浸したキッチンペーパーで包み、さらにその外側をアルミホイルで包む。備長炭とアルミホイルを導線でモーターにつなぐと、モーターが勢いよく回りだす。これは、中学校理科の授業等でも取り上げられる備長炭電池という実験で、その他、果物や野菜などでもエネルギーを作ることができる。

 ここでは、アルミニウムの陽イオンが食塩水の中に溶けだして電子を外部へ出そうとする現象と、備長炭の表面に吸着した酸素が電子を取り込んで反応しようとする現象が同時に進行している。この時、電子がアルミニウムから備長炭に移動するため電気が流れるという事になる。これを「酸化還元反応」という。

 昔、「電子の流れと電流の流れは逆になる。」と教わったが、その理由についてはよく分からなかった。それはまだ電子の存在が知られていなかった時代に、「電気はプラスからマイナスに流れる。」と決めた事によるなごりなのだそうだ。

 

 科学館では、このような実験プログラムが40以上もあり、現在一つ一つの実験手順の見直しや、学び直しをしている所である。錆びつき始めている脳を刺激するには十分だが、何より新たに知る事を、楽しみながら学んでいくのが一番良いのだろうと思う。

 

 


Simon & Garfunkel - Scarborough Fair/Canticle (Audio)