行雲流水の如く

-Re-Start From 65 Years Old-

新緑の匂い

 毎年この時期になると感じるむせかえるような匂い。通勤などで街を歩いていると、所々で強烈な植物の発する匂いを感じることがある。以前、人に聞いた所によると、新緑の匂いなのだと。おそらく、若葉が虫たちに食べられないように独特な匂いを出しているのではないかと勝手に思っていた。

 

 ところで、話は変わるが、匂いは記憶と深く結びついているらしい。自分の場合、例えば「蚊取り線香」については色々な記憶がよみがえってくるが、特に子どもの頃に遊びに行った親戚の家を思い出す。蚊帳がつってあって、少しかび臭いような匂いと線香の煙が入り混じったような夏の記憶。遠くにカエルの声が聞こえていたような・・。

 その他、「プールの消毒の匂い」「野球部の部室の匂い」「祭りの縁日の匂い」等々。多くの人が、その人なりの匂いと記憶を持っているのではないだろうか?

 少し調べてみると、特定の匂いが、それに結びつく記憶や感情を呼び起こす現象は、「プルースト効果」と名付けられているそうだ。フランスの作家マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』という小説の中で、主人公がマドレーヌを紅茶に浸した時に、その香りで幼少時代を思い出す場面があり、その描写が元になっているらしい。

 嗅覚は本能的な行動や喜怒哀楽などの行動を司る大脳辺縁系に直接つながっているので、より情動と関連づけしやすいためと言われている。

 だとすると、自分にとって最も心地よい記憶を思い出させる「匂い」を持っていたら、人生が少し豊かになるかも知れない。さて、どんな匂いだろう?

 

 ところで、先ほどの「むせかえるような匂い」の正体は、どうもスダジイマテバシイ、クリなどブナ科の植物が、あの匂いで花粉を運ぶ虫を呼んでいるそうだ。

 うーむ、まったく逆だと思っていた💦

<MY Faborite Songs>

Joni Mitchell 「The Circle Game」

 このところ、「Woodstock」「Both Side Now」とジョニミッチェルが続いたのだが、やはり「Circle Game」も取り上げる事にした。

 1970年4月にリリースされた、ジョニミッチェルの代表曲の一つ。日本では、同年上映された「いちご白書」の主題歌として、バフィー・セントメリーの方が有名かも知れない。「季節はめぐりめぐって回り続けるよ。サークルゲームの中で」と歌うこの曲は、どこか中島みゆきの「時代」にもつながっていくような気もする。

 ところで、ジョニミッチェルはジェイムステイラーともこの曲を歌っていて、こちらのバージョンもなかなか良いので、のせておく。近々、わがバンドでも取り上げる予定である。

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