今、勤務している千葉県立現代産業科学館での話である。
本館には4つの実験室がある。サイエンスステージ、放電実験室、サイエンスカウンター、サイエンスシアターの4つで、内容は小学校から中学校の理科レベルのものが多いが、実際のお客さんは2~3歳の幼児から小学校低学年位までの子どもたちが多い。
そのため、難しい言葉をできるだけ使わないようにして、ある程度興味を持ってもらうように努めているが、小さい子どもたちの反応というものにはびっくりさせられる事がある。
先日、エジソンが白熱電灯を発明した話の中で、「竹をムシ焼きにした」と説明をしたら、「何のムシですか?」という質問があった。さらに、別な場面で炭の話をしていたら、「タコ?」と聞かれて、一瞬意味が分からなかったのだが、どうも「(タコの)スミ」と思ったらしい。
また、ニュートンが光の発見をしたという話の中で、プリズムを通した光で7色の虹を壁一面に見せたのだが、実験が終わった後に握手を求めてきた4~5歳の男の子がいた。こんな小さな子どもに握手を求められた経験がなかったので、ちょっと驚いたが、どうも室内で虹を見た事に感激したらしい(多分)?
こういう状況なので、説明の際の言葉には気を使っている。
例えば、「窒素は空気中に約78%含まれています。」という説明の際に、「%」をどのように伝えるかを悩んだ結果、今のところ「あめ玉が100個あったら、そのうち78個分」というような説明をしている。
また、「大気圧」は「空気の圧力」(空気の存在は分かるらしい)、「沸騰(ふっとう)」は「電気ポットでお湯が沸いた時の白い湯気の状態」など、できるだけ分かりやすいような表現に努めている。
ただ、説明が長すぎるとすぐに飽きられてしまうし、子どもの目を引くことばかり考えすぎると、ただの実験ショーに終わってしまうので、そのあたりのバランスが難しいところでもある。
いずれにしても、こういった実験を通して、少しでも自然や科学に興味を持ってもらえればと願っている。
もうすぐ春も近いので、久しぶりにこんな曲はいかが?