行雲流水の如く

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上を向いて歩こう

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 今さら紹介するまでもないが、坂本九が歌って世界的にヒットした名曲である。

(1961年:作詞永六輔:作曲中村八大)この曲は、海外でも高い評価を受け、SUKIYAKIとしてビルボードHot100で3週連続、キャッシュボックスのTop100では4週連続1位を獲得し、その後も多くの歌手にカバーされている。

 以前このブログでも、宮本亞門氏が立ち上げた「上を向いて~SING FOR HOPE プロジェクト」での「上を向いて歩こう」を紹介したが、実は、わがRiversの新曲として取り入れてみる事になった。

 ただ、Riversで取り上げてきた曲は基本的に50~60年代の洋楽を中心としており、日本語の入っている曲は唯一「Save The Last Dance For Me」しかなく、それも英語の歌詞の一部を日本語で歌うというスタイルになっている。

 そのため、英語での歌詞を探したところ、いくつか見つかったのだが、その歌詞の内容が本来の歌詞と大きくかけ離れている事に気づいた。

 

 SUKIYAKI上を向いて歩こう

It's all because of you
I'm feeling sad and blue
You went away
Now my life is just a rainy day
I love you so
How much you'll never know
You've gone away and left me lonely

>> みんなあなたのせいよ
>> 悲しくてとてもつらい気持ちよ
>> あなたが行ってしまって
>> 私の暮らしはまるで雨の日のようだわ
>> あなたを本当に愛してる
>> いくら言ってもあなたには気づかれないけど
>> あなたは旅立ってしまって私を孤独にしてしまった
(以下略)

 坂本九の「上を向いて歩こう」の歌詞の中には、確かに「涙がこぼれないように」という一文があるが、なぜ涙があふれそうなのかは書かれていない。その悲しみの中身は、聞く人に委ねられているのである。そして、その悲しみを乗り越えながら、歩いて行こうという前向きな歌として描かれている。

 それに対して、英語の「SUKIYAKI」の多くは、恋人を失った悲しみに限定されている事が多い。あいまいなニュアンスを残す日本語と、原因結果をはっきりと表現する英語との違いからくるのかも知れない。

 そこで、さらに探してみたところ、次のような歌詞を見つけた。

 この歌詞は、中村八大の息子の中村力丸が日本と欧米の文化に精通した表現者であるオノ・ヨーコへ英語詩を、歌唱をイギリスの歌手Olly Mursに依頼してできたもので、曲名も「Look At The Sky」となっている。

 Look At The Sky

Look at the sky
as you walk through life
So the tears won't overflow your heart
As you remember
the Spring days so bright
On this lonely, lonely night

Look at the sky
when you walk through life
See how the stars blur when your tears flow
As you remember
the Summer days so bright
On this lonely, lonely night

Happiness may seem
just out of sight
Beyond the clouds
try as we might

Look at the sky
when you walk through life
So the tears won't overflow your heart
As we cry
our way down the street
On this lonely, lonely night
(以下略)

 結局、Riversでは、この曲の本来の意味を生かしたいという思いから、「Look At The sky」と日本語の歌詞をミックスした形で演奏することにした。

 一つの音楽には、多くの人たちの思いや願いが込められている。自分たちなりの思いを込めて表現していきたいと思っている。

 「Look At The Sky」のプロモーションビデオ。なぜか、徳光和夫氏が登場している。


Olly Murs - Look at the Sky