行雲流水の如く

-Re-Start From 65 Years Old-

えい!

 

  ジムでは、いくつかのマシンを使ってトレーニングをするのだが、その中に「チェストプレス」というものがある。これは、椅子に座った状態のまま、両腕を前に突き出すような動きなのだが、腕の裏側や胸の筋肉に効果があるそうだ。当然、重りがあって、自分にあった重さをセットして行うのだが、あまり軽すぎるとトレーニングにならないし、重すぎるとフォームが崩れてしまい、正しい動きにならない。そこで、ある程度の負荷がかかる重さで行うのだが、力を入れる前に、気持ちを集中するための時間が必要となる。それは、ちょうど重量挙げの選手がバーベルを持ち上げる直前に似ている。

 人によって、その時のタイミングの取り方は異なると思うのだが、自分の場合は、いったん頭の中を空にしたあと、呼吸を整えながら、最後は「えい!」と、一気に両腕を前に突き出すようにしている。その際、腕を伸ばし切った時のイメージを描きながら行っている。こうすることで、成功できた時のイメージに一気に近づく事ができるような気がする。

  実は、これと似たような事は日常生活の中でもあって、例えば、行きたくない会合に行かなくてはならない時などがそうである。「あー、行きたくない」「めんどくさい」などと思っているから、つい支度などもグズグズしがちなのだが、いよいよ時間がなくなってくると「えーい!仕方ない」としぶしぶ出かける準備をする。(男性の場合、スーツなどの上着を着ると、気持ちが切り替わることもある。)そして、いざその会合に出てみると、案外楽しかったり、意外な人との出会いがあったりすることもある。

 いわゆる「案ずるより産むが易し」なのである。

 

 冬の朝、まだまだ寝ていたい自分と、起きなくちゃいけないと戦っている自分がいて、結局は起きることになるのだが、ちょうど動きだすその瞬間に似ている。

 「えい!」の号令をいつかけるかは、その時によってちがうし、かけないままいってしまう事もあるが、今の現状から一歩踏み出したい時には、良いきっかけになるかも知れない。 

<My Favorite Songs>

youtu.be この曲は、本来「マリオネット」というポルトガルギターマンドリンで演奏を行う二人組ユニットによるもので、先日購入したガットギターで演奏してみた。

 今までギターの単音でメロディーを弾くことはあまり経験がなかったのだが、今回あらためてその難しさを感じた。

 例えば、一つの音を出すにも力の入れ方、弾き方等々によって、音色は微妙に変わる。また、メトロノームのように機械的に弾くのではなく、若干の「ため」のようなものを入れたり、強弱をつけたりする事によって、感情表現が可能になると思うのだが、その仕方が難しい。まだまだ未完成だが、はじめての演奏ということでご容赦願いたい。ちなみに、本家である「マリオネット」の演奏も掲載しておく。

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