行雲流水の如く

-Re-Start From 65 Years Old-

時間というもの

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 完全退職して一番大きく変わったことは、毎日の時間というものに対する認識だろうか。自分は、昨年4月に完全退職した後、4月から9月上旬までは非常勤で週2日のみ仕事をしていたが、その後約3か月間全く仕事から離れた生活をしていた。

 いわゆる、「毎日が日曜日状態」である。そうなると、それは「休日」ではなく、「生活そのもの」になる。

 仕事をしていた頃の日曜日や祝日は、「休日」であった。それは文字通り「休みの日」であって、仕事から開放される日である。前日は、多少深酒して泥酔しようが、朝何時まで寝ていようが、多少の事なら家族も目をつぶっていてくれる。それは、精神的にも身体的にも、「ねばならない時間」から開放され、英気を養い、また月曜日からの仕事に対するエネルギーを充電する時間でもある。

 しかしながら、「毎日が日曜日状態」になると、どのように過ごすかは全くの自由ということになる。こういう時間は、はじめのうちは、大変うれしいものである。

 平日の昼間から、喫茶店に行って優雅にコーヒーを飲んだり、映画を観に行ったり、趣味に時間を費やしたりできる事が、なんとうれしいことか!

 しかし、そう思えるのもはじめのうちだけで、やがて何か物足りなくなってくる。

 何より人と話すことが極端に減ってきて、1日ほとんど誰とも話さないという日も稀ではなくなってくる。こうなると、社会との接点を失ったような感覚になり、人は自分の位置を見失うものらしい。

 自分が、このブログを始めたり、新聞モニターに応募したりしたのも、実はそういう背景もある。今自分が思うことや感じることを自由に綴ってみる事、周囲の出来事に目を向けて自分なりのコメントをつけてみるという行為は、自分自身を確かめていく事につながると思ったからだ。

 「職場」や「仕事」という大きな船に乗って安心していられる時代は終わった。

 これからは、自分自身の見方や考え方を大切にしながら、たとえ小さな船でも、自分で方角をさだめ、舵を操っていこうと思う。

 

 もっとも、人生とは面白いもので、そんな空白の3か月を過ごしているうちに、現在勤めている現代産業科学館のお話を頂き、今はまた忙しい日々に戻ってしまった。今年の3月までの週4日勤務とは言え、仕事の日は、1日があっという間に過ぎていく。

 また、オオムラサキの会の方の仕事も次年度に向けて新しい取り組みを始めていく予定だし、今年の7月からは、別な活動の依頼も入ってきている。

 しばらくは、また、忙しくなりそうだが、広く浅くというのも面白いかも知れない。

 

今日は、こんな気分で!


Sarah Vaughan - So Many Stars (CBS Records 1987)