子どもの頃、おそらく誰もが将来の夢みたいなものを抱いていて、例えば男の子なら野球選手とかパイロットに、女の子なら看護婦さんかケーキ屋さんになりたいと思っていなかっただろうか?(学校でも、将来の職業について書かされる事がよくあった。)
自分にも同じような未来の姿があったが、実はもう一つあって、それは「将来はきっと、すごくなっている!」と思っていた。何がどうなれば「すごくなる」のか、よく分からないのだが、漠然とそう思っていたように思う。
その後の自分の人生をふりかえると、およそ「すごく」なったとは言えないが、その時その時自分に与えられた仕事を、ただひたすらにやり抜いてきた。
では、今の自分は、積み重ねてきた経験や知恵を活かして、自信を持って生きているかというと、全然そう言う事はなくて、今でも明日の仕事の準備であくせくしたり、「あー、あそこはもっとこう言えば良かった。」などと後悔したりを繰り返している。
「四十にして惑わず」と言うが、その年齢をとっくに過ぎた今でも、惑ってばかりいるが、どうもこれが自分の性分なのかも知れない。
何かに取り組む時に、あれこれ悩んだり不安を感じたりしながら、「あーでもない、こーでもない」と迷っているのが、合っているのだと思う。
「悩む」という事は、より良いものを目指すために悩むのであり、何か未知の事を始める時は、だれでも「不安」を感じるものである。悩みや不安というものは、あまり強すぎると良い結果を生まないが、通常の程度の物であれば、逆にエネルギーに変える事が出来る。
もうこれ以上の事を望まなければ悩むことはないし、昨日までと同じ事を繰り返していれば不安を感じることも少ないだろう。
また、いざ勝負という時、人は誰でも緊張するものである。なぜ緊張するかと言えば、大昔、人類が初めて草原に出て、獲物を探すようになった時、それは、同時にいつ自分たちが他の猛獣に狙われるか分からない訳で、もし襲われた時に、逃げるのか闘うのかを瞬間に判断するために、心拍を上げて準備しているのだそうだ。つまり、極度の興奮状態に入る事で、心と身体が臨戦体制に入っているのである。だから、緊張している状態と言うのは、心身がめちゃくちゃやる気になっている証拠でもある。
そう考えると、いくつになっても悩んだり不安を感じたり、時には緊張したりする事は、自然な成り行きなのかも知れない。
<マイ ギャラリー>
<My Favourite Songs>
Ricky Nelson 「Fools Rush In」
1950年代以降、歌手としてまた俳優として活躍した。「Travelimg Man」「Hello Mary Lou」「Lonsome Town」などは、我がRiversでもカバーしている。ところで、この曲、何かに似ているなあと思ったら、この歌のネタ元だったそうだ。
ザ・スパイダース 「あの時君は若かった」