行雲流水の如く

-Re-Start From 65 Years Old-

突発性難聴・・そして今

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 ちょうど1年前の今日(12月22日)、突然強烈なめまいの症状に襲われた。その日は、以前からお世話になっていたご夫婦と熱海への1泊旅行から帰ってきた夜のことだった。帰宅も遅くなったので、近くのファミレスで食事を済ませ、買い物のためスーパーに立ち寄った。帰り際、駐車場の会計処理をしようと、車の外に出た瞬間、突然大きな地震が来たかと思うほど地面が大きくゆがみ、世界中がぐわんと回転するような感覚にとらわれた。

 とてもまっすぐ歩ける状況ではなかったが、それでも、なんとか自宅に戻った際には、階段をはいながら上り、リビングのソファーに倒れこむように座り込んでしまった。結局、この夜は生まれてはじめて救急車を要請し、市内の総合病院で応急処置をしてもらって、帰宅したのは朝方だった。

 これが、私が経験した「突破性難聴」の初期状態である。

 突発性難聴は、その名前の通り突然発症するのが特徴である。原因は血管の血流障害やウイルス感染説等が考えられているそうだが、まだはっきりはしていないらしい。また、老人性難聴とちがって、年齢層も40代から60代と幅広く、音楽関係者にも多いという。(Kinki Kids堂本剛浜崎あゆみ坂本龍一等々) 

 この後、半年にわたって近くの総合病院で内服を中心に治療を行ってきたが、結局、左側の聴力が著しく下がるとともに、浮遊性のめまい(ふわふわした感覚)と耳鳴りに悩まされる生活を余儀なくされている。この間、低音域の聴力は若干回復したものの、中音域から高音域の聴力は戻っていない。具体的には、水中で音を聞いているようなモゴモゴした感じで、言葉の一つ一つを聞き分けることができない。例えば、ファミレスや街の雑踏の中などで、左側から話されると、よく聞き取れないため、右側から話してもらうようにしている。(幸い、右側の聴力は落ちていない!)

 医者の話では、半年を経過すると症状はほとんど固定化してしまい、回復はまず難しいとのこと。五体満足という言葉があるが、人は何かを失って初めてその価値や意味の大きさに気付くものである。自分の場合は片耳の聴力の大半を失ったわけだが、それが突然だったため、当初のショックと動揺は非常に大きいものがあった。

 しかしながら、こんな状況になっても当然、毎日食事をし、散歩に行き、好きな音楽も聴く。コンビニで買い物もするし、ジムで汗も流す。一番心配だったバンドのライブだが、以前より音が遠くに聞こえる感覚はあるが、自分の出している音は分かるので、さほど支障はない事も分かってきた。もちろん、以前の生活に比べて不自由さはあるが、忙しい時や何かに集中している時には、ふとそのわずらわしさを忘れてしまっている事がある。「今の自分」を素直に受け入れ、ゆっくり歩いて行こう!

 

最近、ラジオで聞いて気に入っている曲。

今年の6月から7月「みんなの歌」でやってたそうな。


原田知世「コトバドリ」