行雲流水の如く

-Re-Start From 65 Years Old-

東京ぶらり散策

 先日、久しぶりに東京ぶらり散策の旅に出かけてきた。以前は、地下鉄の一日乗車券(ワンデーパス)を利用して、結構街歩きを楽しんだものだったが、久しくご無沙汰していた。今回は、小石川植物園豊川稲荷をメインにして散策してきた。

 営団地下鉄茗荷谷駅」のB出口を出て、歩き出すとほどなく「播磨坂さくら並木」が出てくる。こちらは道幅約40m、長さ約500mに及ぶ桜の公園で、道路中央部をゆっくり下りながら散歩する事が出来る。残念ながら桜の開花にはまだ早かったが、所々に地元の方々が犬の散歩をしていたり、ベンチに腰掛けてゆったりしている姿が見られた。歴史的には、江戸時代この地に松平播磨守(常陸府中藩主)の上屋敷があったそうだが、桜並木自体は1960年頃地元住民の要望から、散歩道の整備と約120本のソメイヨシノが植えられたそうである。もう少しすると、見事な桜並木が見られると思う。 

齊藤庵

 播磨坂を下りきると、小石川植物園はもう目の前なのだが、ちょうど昼時でもあったので通り沿いにあった「斉藤庵」という蕎麦屋に入ることにした。店構えもそうだが、中に入ると昭和にタイムスリップしたような味のある店である。すでに何人かのお客が入っていて、しばらくすると満席となり外で待っている客もいたので、地元では結構有名な街そば屋らしい。自分は「たぬきそば+小カツ丼」のセットを頼んだが、やや濃い目の味付けで、自分的には大満足の味だった。

たぬきそば&小かつ丼

 小石川植物園東京大学大学院の附属植物園で、本来は植物学の研究・教育を目的とする施設であり、日本で最も古い植物園でもある。江戸時代には徳川幕府が設けた「小石川御薬園」があった場所で、あの「赤ひげ」で有名な小石川養生所は、この園内にあったそうだ。

ニュートンのリンゴ

 アイザック・ニュートンは、リンゴの実が木から落ちるのを見て「万有引力の法則」を発見したと言われているが、実際にニュートンの生家にあったリンゴの木は、接ぎ木により世界中に贈られているそうで、この木も1964年に贈られたものである。この木の横には「メンデルのブドウ」も植えられている。

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 園内の樹木は、樹齢100年以上になるような巨木が多く、この木は一瞬分からなかったが、近寄ってみるとなんと「スズカケノキプラタナス)」であった。木の近くにあった説明板を読むと、この木は明治9年に導入された日本で最も古いスズカケノキの一本なのだそうだ。

メタセコイア

 「生きた化石」と呼ばれる事もあるメタセコイアは、植物園入口の左側にそびえたつように群生している。高さは10M以上はあるだろうか?調べてみると大きなものは高さ50Mにもなるらしい。自分が知っていのは、せいぜい2~3M位のものだったので、正直この木に対するイメージが大きく変わった。

桜の開花はもう少しかな?

 小石川植物園内には、この他にもたくさんの植物を観察する事ができるが、さすがに研究施設だけあって、樹木の名前や解説が所々に設置されている。自分のように植物に対しての知識が少ない者にとってはありがたい。この他にも整備された池があったり梅林があったりで、なかなか素敵な所である。一つだけ残念だったと言えば、時期が早かったため、桜の開花が見られなかったことである

 

 植物園を出た後、今度は丸ノ内線を使って「赤坂見附駅」で下車。次の目的地「豊川稲荷」に向かう。

 こちらは、正式には「豊川稲荷東京別院」と言って、本来は愛知県豊川市にある曹洞宗の寺院である。なぜここを選んだかというと、実は以前こちらにお参りに来た時に、本殿の左横に「融通稲荷」という小さなお堂があって、こちらでは「融通金」というものを頂いた。この「融通金」(本物の10円玉が入っている!)は、頂いた1年後あるいは願いがかなった時に、お礼として利子をつけてお返しすることになっていたのだが、すっかりご無沙汰してしまったという訳だ。

融通金

 この融通金は自分の財布に入れて持ち歩くと、金運が上がるというもので、さすがに金運や商売繁盛、子宝、災難除けのお稲荷様だけあって気前がよい。実際問題我が家の家計がどうだったかは別として、これでやっとお勤めを果たす事が出来た。

 そして、あらためてお参りをして、新たな「融通金」を頂いてきた。

 今回は、あまり急がずのんびりと散策してきたので、立ち寄ったのはこの2カ所だけである。ただ、豊かな自然に触れたり、播磨坂沿いの小さなお菓子屋さんでお菓子とコーヒーを頂いたり、豊かな時間を過ごす事が出来た。桜が開花する頃、もう一度来てみようかと思っている。

<My Favorite Songs>

 「So Many Stars」 Sergio Mendes & Brasil'66

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 はじめてこの曲を聴いたのはもう10年位前だっただろうか?その時は「何てきれいな曲なんだろう。」と思っていた。英語の歌詞はよく分からなくても、満点の星空を見上げながら自分の思いや夢を歌った曲なのだろうと勝手に解釈していた。

 Sergio Mendes & Brasil'66の「Look Around」というアルバムに収められた曲で、作曲はセルジオ・メンデスとバーグマン夫妻とのこと。当時の女性ボーカルのラニ・ホールの声が素晴らしい!

 「So Many Stars」 Sarah Vaughan

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 ところが、サラ・ボーンのカバーを聞いて、印象は大きく変わった。美しいメロディのずっと底の方で、サラの歌声がたくましく、そして優しく包み込んでくれるような印象を受けた。歌手によってこんなに印象が変わるものなのか?あるいは、これがサラ・ボーンという歌手の力なのか?今でも、少し疲れた時にこの曲を聴くことがある。