行雲流水の如く

-Re-Start From 65 Years Old-

言葉の力

わたしは、私。|西武・そごう

///先日、あるデパートで見かけた広告///

 

大逆転は、起こりうる。

わたしは、その言葉を信じない。

どうせ奇跡なんて起こらない。

それでも人々は無責任に言うだろう。

小さな者でも大きな相手に立ち向かえ。

誰とも違う発想や工夫を駆使して闘え。

今こそ自分を貫くときだ。

しかし、そんな考え方は馬鹿げている。

勝ち目のない勝負はあきらめるのが賢明だ。

わたしはただ、為す術もなく押し込まれる。

土俵際、もはや絶体絶命。

 

ここまで読んで下さったあなたへ。

文章を下から上へ、一行ずつ読んでみて下さい。

逆転劇が始まります。

 

 この広告は、企業広告として毎年正月に映像やポスターが公表されているもので、今年は大相撲の炎鵬関をキャラクターとして制作されたものだそうだ。

 炎鵬関は体重100㎏に満たない小兵力士だが、体重差100㎏以上の力士を押し出す底力を持っている。残念ながらここの所負け越しが続いているが、ぜひ頑張ってもらいたい力士の一人だ。

 

 こういった広告は、一般にキャッチコピーと言うのだろうか。

 主に商品や作品の広告で使われる言葉で、多くの人の興味や関心を惹きつけることを目的としたものである。

 普段、あまりこういった広告には関心を持たない方なのだが、この広告はつい最後まで読んでしまったし、「ああ、そういう事か」と後で納得させられてしまった。

 言い換えれば、上手く引き込まれてしまったわけだ。

 

 少し意味合いは異なるが、時折こういった「気になる言葉」に出会う事がある。このブログで最近取り上げた『物語』(萩本欣一)は週刊誌だったし、『最初の質問』(長田弘)は新聞だった。短いエッセイの中の言葉だったり、小説の中のある表現だったり主人公のセリフであったり、あるいは流行りの歌の歌詞だったりすることもある。

 それは、心の奥の方に妙に引っかかっていたり、時には何年も住み着いてしまう事もある。場合によっては、自身の考え方の一部に同化してしまう事すらある。

 長い人生の中で、多くの素敵な人たちとの出会いがあるように、多くの価値ある言葉たちと出会えることは、大きな喜びの一つとなる。

 


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